今月の主題 肥満症―診断・治療の新展開
肥満が影響を与える疾患・病態
肥満と骨代謝異常
稲葉 雅章
1
,
西沢 良記
1
1大阪市立大学大学院医学研究科代謝内分泌病態内科学
pp.253-255
発行日 2005年2月10日
Published Date 2005/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100022
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ポイント
肥満患者での骨量増加は,骨に対する荷重の増加の結果であるため,必ずしも骨折率の低下にはつながらない.
糖尿病患者では,骨芽細胞機能低下に伴う低回転骨となるため,微小骨折の蓄積などにより骨質の劣化を伴うことや,神経障害・視力低下・大血管障害など糖尿病合併症による転倒率の上昇などで,骨密度が低下していなくても骨折率がかえって上昇する.
肥満に対する減量時に,負のCaバランスが生じたり,運動量低下による骨吸収亢進による骨密度低下がしばしば起こる.このため,減量時には,経口Ca摂取を増やしたり,運動量確保に気をつけ,減量時の骨密度低下を防止するよう心がける.
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