特集 肥満
肥満者の内分泌と糖代謝の異常
片岡 邦三
1
Kunizo KATAOKA
1
1慶応義塾大学医学部内科内分泌研究室
pp.533-542
発行日 1982年8月15日
Published Date 1982/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206566
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単純肥満にみられる内分泌代謝系の異常は,高脂質血症,高アミノ酸血症,糖処理能の遅延,高インスリン血症,インスリン抵抗性,コルチゾール産生率の増加,尿中17-OHCSの増量,アルギニンやインスリン負荷時の成長ホルモン反応低下などであり(表1),これらの異常のすべては強制大食による実験的肥満でも出現するので1),いずれも肥満の原因ではなく,肥満による二次的な所産である.なかでも高インスリン血症とインスリン抵抗性はホルモン異常の主軸と考えられ,成人に発症する肥満型糖尿病の原因解明にも関連し,最も注目されている.
本項では単純肥満に起こる主な内分泌と糖代謝の異常につき,概説しようと思う.
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