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第5土曜特集 糖尿病治療・研究の最前線2021
糖尿病に対する新しい考え方
肥満2型糖尿病と肥満外科(減量・代謝改善手術)
Type 2 diabetes with obesity and obesity surgery
――bariatric and metabolic surgery
龍野 一郎
1
Ichiro TATSUNO
1
1東邦大学内科学講座糖尿病代謝内分泌分野(佐倉),同医療センター佐倉病院糖尿病内分泌代謝センター,日本肥満症治療学会理事長
キーワード:
肥満症
,
肥満2型糖尿病
,
減量・代謝改善手術(bariatric and metabolic surgery)
,
多職種チーム
Keyword:
肥満症
,
肥満2型糖尿病
,
減量・代謝改善手術(bariatric and metabolic surgery)
,
多職種チーム
pp.353-358
発行日 2021年1月30日
Published Date 2021/1/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27605353
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肥満外科手術は減量手術(bariatric surgery)として,欧米でBMI 35以上の高度肥満患者へ導入され,その有効性と安全性が確立されてきた.近年,肥満2型糖尿病に対しても体重減少と独立した糖代謝改善効果が認められ,代謝改善手術(metabolic surgery)ともよばれるようになった.この作用機構として,胆汁酸および腸内細菌の役割が注目を集めている.肥満外科手術は,内視鏡外科手技の導入により周術期合併症が減少し安全に行われているが,長期的合併症として減量不良,体重のリバウンド,糖尿病の再発・悪化,貧血・骨粗鬆症といった栄養障害,自殺率の増加といった問題が存在する.この解決には減量・代謝改善手術を統合的な肥満症治療のひとつの手段と認識し,内科医・外科医・精神科医・看護師・管理栄養士・薬剤師などで構成される多職種医療チームによる生涯にわたるサポートが必須である.
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