今月の主題 肺のびまん性陰影をめぐって
感染によるもの
粟粒結核の現況
岡安 大仁
1
,
勝呂 長
1
1日大第1内科
pp.788-789
発行日 1976年6月10日
Published Date 1976/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206598
- 有料閲覧
- 文献概要
抗結核剤の開発・普及に伴い,結核症の予後は著しく改善したが,粟粒結核についても例外ではなく,かつての致死的疾患から治りうる疾患へと変貌した.しかし,本症は発病年齢の高齢化や,基礎疾患あるいはステロイド療法の影響など新たな問題点をもって再登場してきた観もある.このことは,第48回日本結核病学会総会のシンポジウム「最近の粟粒結核症1)」(司会萩原忠文教授)によってかなり明らかにされたし,また,海外の2,3の報告2〜4)にも示されている.すなわち,肺のびまん性陰影を呈する疾患を論ずるにあたって,本症の占める比重は,現在でも決して軽くはないわけである.以下に,前述シンポジウムの報告を中心に,本症の現況を概述する.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.