今月の主題 感染症—治療の実際
臓器感染症の治療法
脳炎・髄膜炎
高瀬 貞夫
1
,
中村 正三
1
Sadao TAKASE
1
,
Shozo NAKAMURA
1
1東北大学医学部付属脳疾患研究施設・脳神経内科
pp.1522-1524
発行日 1980年10月10日
Published Date 1980/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216709
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はじめに
脳炎・髄膜炎の病原体にはウイルス,マイコプラズマ,リケッチア,細菌,原虫および寄生虫があり,その病理像は化膿性,漿液性,肉芽腫性などさまざまで,発症経過もまた急性,亜急性,慢性などと多様である、したがって治療にあたっては血液-脳関門の存在による薬剤の髄腔内移行への難易を考慮した上で,適切な時期に的確な薬剤の投与が望まれ,さらにこれらの疾患では患者の予後を大きく左右する意識障害,痙攣,高熱,体液異常や肺炎,尿路感染など多くの合併症がみられ,対症療法もまた重要な問題である.本文では比較的頻度の多い疾患の治療について述べる.
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