今月の主題 慢性肝炎をめぐる諸問題
成因からみた慢性肝炎
薬剤性慢性肝炎
浪久 利彦
1
,
北見 啓之
2
,
飯島 敏彦
2
,
市川 尚一
2
Toshihiko NAMIHISA
1
,
Noriyuki KITAMI
2
,
Toshihiko IIJIMA
2
,
Shoichi ICHIKAWA
2
1順天堂大学医学部・消化器内科
2順天堂大学医学部・内科
pp.884-885
発行日 1980年6月10日
Published Date 1980/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216554
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はじめに
薬剤性慢性肝障害の診断基準はまだ確立されていないが,薬剤が原因となって発症した肝障害が6カ月以上持続し,肝組織所見が犬山分類による慢性肝炎の組織診断基準をみたすものと理解される.その成因に関しては,中毒性,アレルギー性を問わず慢性肝障害例の多くに血中自己抗体を認めることから,多くの例に自己免疫機序が関与しているものと考えられる.
ここでは自験例を中心として,慢性例を死亡例および治癒遷延例と比較し,慢性化の背景となった諸因子について検討するとともに,薬剤性慢性肝障害の発生機序に関して考察を述べる.
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