病気のはなし
劇症肝炎
北見 啓之
1
,
浪久 利彦
1
1順大消化器内科
pp.88-94
発行日 1976年2月1日
Published Date 1976/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200980
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急性肝炎は,普通3〜4か月の経過で治癒する予後の良い疾患であるが,一部の急性肝炎では,急速な経過をとって死亡する場合があり,劇症肝炎と呼ばれている.劇症肝炎の定義は,"急激に起こる肝の広範な壊死により,急速に肝不全症状が現れる肝炎で,臨床像のうえで肝萎縮,進行性の黄疸,なんらかの精神神経症状を伴うもの"とされている.なかでも,精神神経症状は疾患の重篤度を知るうえに重要で,発病前に健康であった症例では特に重視される症状である.肝機能は,発病前は正常であり,発病後肝不全症状が6〜8週以内に現れる.
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