今月の主題 慢性肝炎をめぐる諸問題
分類
病理医の立場から
奥平 雅彦
1
,
佐々木 憲一
1
Masahiko OKUDAIRA
1
,
Ken-ichi SASAKI
1
1北里大学医学部・病理学
pp.850-853
発行日 1980年6月10日
Published Date 1980/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216544
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慢性肝炎の概念
慢性肝炎とは,「少なくとも6カ月以上存続する肝臓の炎症で,肝炎ウイルス感染が原因と想定されるものをいう」というのが,わが国のみならず欧米における現時点での共通した理解である.
病理学的な慢性炎症の概念は,「数カ月ないし数年間にわたり存続する炎症であり,その組織反応は,円形細胞浸潤と線維芽細胞や組織球の増殖性反応が特徴的である」1).肝臓の炎症においても,慢性という概念の基幹は炎症が長い間存続しているというtime factorが優先する.また,肝臓の慢性炎症では線維芽細胞や組織球の増殖性反応はあまり目立たないということもわきまえておく必要がある.
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