今月の主題 最近の腎疾患の基礎と臨床
糸球体病変の病理所見
馬杉 洋三
1
Yozo MASUGI
1
1日本医科大学・病理学
pp.474-478
発行日 1980年4月10日
Published Date 1980/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216466
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
筆者に与えられたテーマは糸球体病変の病理所見ということであるが,紙面の都合で本稿では原発性ならびに続発性の糸球体腎炎に分類される疾患のうち,腎生検でしばしは遭遇する代表的な型を取上げ,そのほかの稀な腎炎型および動脈硬化性,循環障害性,異常代謝性あるいは遺伝性などによる糸球体病変は省略する.また周知のように,現在では適切な糸球体腎炎の病理診断には光顕形態学的検索のみでは不可能で,ほかに螢光抗体法および電顕的検索を併せ行うのが普通であるので,診断に必要なそれらの所見についても言及する.以下に糸球体腎炎各型の病理所見を述べる.
なお本文に使用する略語について記す.糸球体毛細管基底膜(GBM),メサンジウム(Mes),免疫グロブリン(Ig),免疫複合物(IC),多形核白血球(Polys),螢光抗体法(IF).
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.