Japanese
English
特集 泌尿器科領域における生検
電顕写真とその所見—特に糸球体について
Electron Microscopic Changes of the Renal Glomerulus
坂口 弘
1
Hiroshi Sakaguchi
1
1慶応義塾大学医学部病理学教室
1Department of Pathology, School of Medicine, Keio University
pp.355-364
発行日 1974年4月20日
Published Date 1974/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201797
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
泌尿器科領域においても腎生検を行なう機会が次第に増えてきたようである。内科,小児科領域の腎疾患,腎炎,ネフローゼ症候群では,光顕のみならず,できれば電顕,螢光抗体法を行なうことがよいとされ,われわれの所でも腎炎,ネフローゼ症候群はすべて光顕とともに電顕用の包埋を行なつている。今日,腎臓病学,病理学の学会誌に報告される腎臓の組織変化を論ずるものでは,特殊なものを除いては大部分のものが光顕とともに電顕所見に言及している。このことは,腎臓では電顕所見の読み方が一部の人のものではなく,これに関心をもつ人は誰でも一応は知つていないと腎臓の組織学に関する文献が読みこなせないということになる。そうはいつても,医学が専門分化し,そのすべてに通饒することは至難なことで,光顕所見もあまり得意でない多忙な臨床家に腎臓の電顕所見まで要求することは少々酷であると思われる。
日常電顕に関する仕事に従事して,各方面からいろいろの試料を依頼されると,中には電顕で一体何をみてくれというのだろうか,この人は電子顕微鏡というものを知つているのだろうかと思わせられることも少なくない。
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.