今月の主題 心膜疾患の臨床
二次性心膜疾患
心筋梗塞後症候群
安藤 譲二
1
,
安田 寿一
2
Joji ANDO
1
,
Hisakazu YASUDA
2
1北海道大学医学部・循環器内科
2北海道大学医学部・内科
pp.64-65
発行日 1980年1月10日
Published Date 1980/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216371
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はじめに
心筋梗塞後症候群(postmyocardial infarction syndrome)は心筋梗塞発症後,通常2週以後に,発熱,胸痛とともに心膜炎,胸膜炎,肺臓炎などを併発すろ原因不明の症候群である.
1955年,Dresslerは心筋梗塞発症後2〜14週を経て発熱,胸痛がくり返し出現し,心膜炎,胸膜炎,肺臓炎などの所見を呈する患者に注目し,これらの症状は従来の教科書に記載されている心筋梗塞による心膜炎,心筋梗塞の進展,再発,肺梗塞,心不全などの合併症とは明らかに異なっているとしてpostmyocardial infarctionsyndromeと名づけて報告した1〜3).したがって,本症候群をDressler症候群と呼ぶこともある.
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