私の経験例
結核性腹膜炎
高橋 徹
1
1大阪府立病院救急医療専門診療科
pp.2075
発行日 1977年12月5日
Published Date 1977/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207602
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内科医を悩ます臨床上の問題の一つに不明熱がある.患者および家族の焦躁感がつのり,焦躁が主治医にすら伝染する場合も往々にしてある.不明熱100例を分析したPetersdorfによると,そのうち結核症,ことに腹部臓器結核が高頻度にあることが指摘され,診断の困難さが示唆されている.本例は10日間の高熱のあと1日5〜6行の水様便が出現,その間急性腹症とされたり,腸チフス疑いとして隔離されたりした.その後血性腹水の貯留から悪性腫瘍を疑われたが,最終的には結核性腹膜炎と診断し,治療軽快した症例である.
症例 40歳男.
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