日常検査とその限界
血糖
青木 紀生
1
1日大臨床病理
pp.380-381
発行日 1970年4月10日
Published Date 1970/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203028
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糖尿病の診断,その病状経過の観察に血糖の定量は不可欠の検査法であり,糖尿病以外の疾患の診断時,あるいは生理的見地から血糖の定量はきわめて重要である.
血糖測定法は数多くあるが,いずれの方法も多少の欠点があり,いまだにその標準化の域に達していない.糖尿病研究班ではすでに古典化しつつあるHagedorn-Jensen法を標準法として採用しているが,本法は非糖性還元物質の影響が大きく真糖を測定しているとは考えられず,現在では最も特異性の高い方法としてブドウ糖酸化酵素法があげられる.また特異性はやや落ちるがSomogyi-Nelson法が比較的広く採用されている.さらにベッドサイドで簡易,迅速に血糖値を半定量できる簡易法も開発されている.いずれにしろ目的に応じて最も適した方法を採用すべきである.
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