臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集
VII.血清検査
62.梅毒血清反応
水岡 慶二
1
1東大中検
pp.1776-1777
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216166
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はじめに
今から14〜15年前(昭和40年頃)に,それまではまったく姿を消していたTreponema Pallidum(TP)が再び日本に持ち込まれ,新鮮な早期顕症梅毒患者が発生するという事態,いわば梅毒の小流行があった.その小流行もじきにおさまり,現在はそれほど梅毒患者の新発生はみられないようである,しかし,まったく姿を消したというわけではなく,散発的に新鮮な梅毒患者の発生が報じられている.やはり,いつまでたっても,梅毒は忘れ去られそうにもない疾患である.
ところで,梅毒を診断するのに欠かすことができない検査に血清学的反応がある.その血清学的反応にも2つの系統があり,ひとつはふるくより実施されているCardiolipinを抗原にする反応(通常STSと略記--serologic tests for syphilisの略),もうひとつはTPを抗原に使う反応である.それぞれの系統の反応には臨床的な意義の違いがあるので,両者をうまく組み合わせて利用する必要がある.現在わが国で実施されている血清反応は,次のようなものがある.
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