臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集
VII.血清検査
61.寒冷凝集反応
荒田 孚
1
1国立相模原病院内科リウマチ研究部
pp.1774-1775
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216165
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はじめに
血液を寒冷にさらすと血球が凝集することを1903年にLandsteinerが発表したが,その後この反応の主体をなす寒冷凝集素が,肺炎,マラリアなどで高値を示すことが臨床的に知られるようになった.1943年にPetersonらが原発性非定型(異型)肺炎において本凝集素価が高率に出現し,陽性の場合は他の型の肺炎との鑑別に役立つとした.本凝集素はIgMに属するが,単一のものと考えられておらず,その種類,出現機構,生理的意義は不明の点が多い.本凝集素はABO式血液型とは無関係に,低温でヒトの赤血球,ある種の動物の赤血球を凝集するのみか,自己の赤血球とも反応する.その作用は低温(0〜5℃)で最も強く,20℃では活性がほとんど失われ,37℃で凝集は解離する.
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