Japanese
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特集 シンポジウムIV.最近の顕症梅毒
抗体の特異性からみた梅毒血清反応
STUDIES ON SPECIFICITY OF ANTIBODIES CONCERNING SEROLOGIC REACTINS OF SYPHILIS
水岡 慶二
1,2
,
松橋 直
1
,
臼井 美津子
1
Keiji MIZUOKA
1,2
,
Tyoku MATUHASI
1
,
Mitsuko USUI
1
1東京大学医学部血清学教室
2皮膚科学教室
1Department of Serology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
2Department of Dermatotogy, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.1225-1229
発行日 1965年11月20日
Published Date 1965/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204236
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I.はじめに
脂質抗原を使つた梅毒血清反応(STS)における生物学的偽陽性反応(BFP)の問題は旧くより注目されていたことである。このBFPは,STSがTreponema pallidum(TP)とは無関係に自然界に広く分布しているCardiolipinすなわちdiphosphatidyl glycerolというリン脂質を抗原にして,それに対応する抗体—厳密にいうならばreaginと呼ばれる抗体様物質—を検出する方法であるためにおこつてくる結果である。このreaginなる物質はTPに対する抗体とは全く別のものであることが実証されているので,無症状の梅毒とBFPを鑑別するためには,TP抗原を使用した反応で抗TP抗体を検出するようにしなければならない。TP抗原による反応は次に示すようないろいろな方法が工夫されている。
TPI Nelson & Mayer(1949)
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