職業病の知識
血液障害
牛尾 耕一
1
1東京労災病院
pp.1430-1432
発行日 1979年9月10日
Published Date 1979/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216059
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はじめに
職業病はすべて予防すべきものであり,血液障害もその例外ではない.軽度異常の段階で発見し,職場環境の改善,配置転換または治療を行うべきである.このため労働省は有害業務従事者の特殊健康診断(特健)を規定している.しかし,軽度の変化を見出すためには定期的な特健のほかに,就業前に関連項目の検査を行い,それとの比較で以降のデータを評価することが必要である.たとえば,鉛貧血は軽〜中等度に留まるので,貧血を鉛の健康障害の指標とする限り就業前値が重要となる.また血液障害を起こす物質は皮膚,肝,腎,神経系の障害,さらに発癌性を示すものも少なくないが,本稿では血液障害に限って述べる.
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