特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅳ.併存疾患をもつ外科患者の薬物療法
11.代謝・栄養障害
脂肪吸収障害
大柳 治正
1
,
斉藤 洋一
1
1神戸大学医学部第1外科
pp.900-901
発行日 1986年6月10日
Published Date 1986/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209433
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□外科領域で遭遇する脂肪吸収障害
脂肪便steatorrheaが吸収不良症候群malabsorptionとほぼ同義語に用いられるほど,脂肪吸収障害は消化吸収不良症候群を示す大部分の疾患で存在するといわれている.Bockusの成書にも吸収不良症候群の一般的な分類は脂肪吸収が障害される部位によつて行われている(表).しかし,多岐にわたる脂肪吸収障害の原因疾患も,外科患者に限定すればかなり少なく,びまん性腸疾患や膵液,胆汁の分泌障害あるいは胃腸管切除後の障害などが主である.
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