職業病の知識
皮膚障害
村上 通敏
1
,
西山 茂夫
1
1北里大皮膚科
pp.1276-1279
発行日 1979年8月10日
Published Date 1979/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216021
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はじめに
1977年の米国の調査報告によれば,皮膚疾患は職業病全体の46%を占め,また病気により失われた労働時間の23%は皮膚疾患によるものである。さらにAmerican Academy of DermatologyとNIOSH(米国立職業安全衛生研究所)の連絡委員会の実情調査報告書は,労働者の健康を守るべきNIOSHや職業安全衛生局に,職業上の皮膚疾患を専門とするスタッフが一人も配置されていないと指摘している.
本来,皮膚障害は職業病の中でも広範囲,かつ重要な位置を占めるはずでありながら,残念なことに本邦でも,行政面,企業体および産業医学面ともにこれを等閑視する傾向があったことは否めない事実であり,今後この方面の官民一体の努力が必要である.
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