今月の主題 腸疾患の臨床
大腸隆起性病変
大腸癌
神前 五郎
1
,
森 武貞
1
1阪大第2外科
pp.1194-1196
発行日 1979年8月10日
Published Date 1979/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216007
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大腸癌発生の年次的推移
わが国の胃癌発生率は世界最高であり,逆に大腸癌の発生は,最低のグループに属していたが,1960年頃から少しずつではあるが着実に大腸癌が増加し,胃癌が減少してきている(図1).
これを部位別にみると,下行結腸からS状結腸にかけての癌が著しく増加していて,直腸,肛門部の癌の発生には大きな変化はない.したがって1960年代までは大腸癌の約2/3を直腸癌が占めていたのであるが,1973年頃を境にして結腸癌のほうが直腸癌より多くなり,その傾向はなお強まりつつある.欧米のほとんどの国では大腸癌のほうが胃癌よりも多いのであるが,直腸癌の発生頻度はわが国と大差がなく,結腸癌が直腸癌の2〜4倍も多いのである.
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