今月の主題 腸疾患の臨床
腸疾患の検査
X線検査—大腸
下田 悠一郎
1
,
松浦 啓一
1
1九大放射線科
pp.1150-1153
発行日 1979年8月10日
Published Date 1979/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215991
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はじめに
現在最も普通に行われている大腸のX線検査法は,経口法と注腸二重造影法である.経口法は,解剖学的な位置異常や機能的異常を知るうえには必要な方法ではあるが,器質的変化の診断という点では,はなはだ心もとない.器質的疾患の検索を目的とするならば,注腸二重造影法によるほかはない.
注腸二重造影法は,Fischerの注腸注気併用法にその端緒を発し,Welin法,Brown法と改良されたが,とくにBrown1)により腸洗浄などを用いずに,脂肪と線維とを厳格に制限した食餌と塩類下剤,接触性下剤を主体とした前処置が発表されて以来,これが精密な胃X線検査法に熟達した本邦に導入され,狩谷ら2)の努力により今までの方法よりもはるかに優れた診断能をもつ検査が可能となった.
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