大腸早期癌診断におけるX線と内視鏡との比較

Conversazione―Comparison of the Diagnostic Capability in Early Colon Cancer between X-ray Examination and Colonofiberscopy

　丸山（司会）　本日のテーマは大腸早期癌診断におけるX線と内視鏡との比較です．

　初めに確認しておきますが，この場合の診断というのは発見ないしは拾い上げというふうに解釈して話を進めていきたいと思います．

　内視鏡専門の先生の立場からは，いまさらX線と内視鏡を比較するなどということは意味がないという意見もあると思います．また昨今の大腸の診断の現況をみますと，X線診断一本槍という先生方は非常に少なくなりました．X線をやっておられる先生でも，実はこっそりと内視鏡もやっておられる．あるいは，内視鏡の先生は逆で，X線をあまり信用しないという立場で内視鏡だけという，この二通りに分かれると思います．このように通常は，情報を追加する手段として，どちらかを必ず，自分が内視鏡であればX線，X線であれば内視鏡というように情報を絶えず自分のところに持っていて診断をされているというのが，日本の現状ではないかと思います．