技術解説
大腸X線検査法
吉川 保雄
1
1順天堂大学医学部内科
pp.1325-1331
発行日 1971年9月25日
Published Date 1971/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111579
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はじめに
大腸X線診断学が胃X線診断学に比べて格段に遅れていることは諸家の指摘しているところである.この原因は大腸X線診断学の基礎となる病理学的概念が不明確であること,および,癌,ポリープ,潰瘍性大腸炎,大腸クローン病,憩室など主要な疾患が欧米に比べて少ないこともあるが,胃小区のような大腸粘膜面の微細構造を明瞭に現わせなかったことも大きな原因であると考えられる.
最近,大腸X線検査が盛んに行なわれてくると,従来少ないと考えられていた上記疾患もかなりの頻度で発見されてきた.本邦においては早期胃癌研究の経験を生かして,いかに能率よく,盲点なく,微細変化まで描出するかに工夫をこらしているのが現状である.
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