統計資料の頁
BCG問題
田中 正一郞
1
1厚生省公衆衞生局結核豫防課
pp.43-46
発行日 1952年6月15日
Published Date 1952/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201060
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わが國の結核對策にとつて不可缺の要素の一つに,結核未感染者に對する積極的な兔疫附與の方法として,BCG接種があげられる。このBCGについては,昨秋來種々論議されたところであるが,こゝでは主として統計資料を基としてBCGを論じてみたい。
BGC,の效果については,わが國の成績は昭和18年日本學術振興會が第8小委員會の結論をもつて「BCGに關する報告書」を公にし,これが今にいたるまでBCGの效果として廣く用いられているものである。この結論は既に衆知の通り,BCG被接種者は對照に比し發病率では1/2以下に,死亡率からみれば1/8以下になるということであつた。この昭和18年の學術振興會の報告以後にも,足立氏は愛媛縣下で,久留氏は軍關係で,黑丸氏は秋田縣下で,大坪氏は東鐵病院で看護婦を對象に,千葉氏は東鐵管内從員業に,海老名氏及び菅野氏は東北大で學生に,林氏は乾燥BCGを用いて軍關係で,それぞれ嚴密な對照のもとに研究を行つているが,何れも學振の成績と略々同樣の效果を認めている。
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