特集 予防接種
BCG接種
徳永 修
1
1国立病院機構南京都病院小児科
pp.103-108
発行日 2014年2月15日
Published Date 2014/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102948
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BCGワクチン接種の目的・有効性
BCGワクチンはウシ型結核菌を継代培養し,弱毒化して開発した生菌ワクチンであり,第二次世界大戦後,結核発病予防を目的としたワクチンとして多くの国々に普及した.BCGワクチンによる結核発病予防効果に関しては,これまで多くのrandomized controlled study(RCS)やcase-control study(CCS)によって検討されてきたが,それらの結果は高い有効性を認めたもの1)から「全く効果を認めなかった」とするもの2)までさまざまであった.
Colditzら3,4)は,これらBCGワクチンの発病予防効果に関する研究報告結果を対象としたメタ解析を行い,「結核性髄膜炎や粟粒結核などの重症結核には70~80%の高い有効性を認め,肺結核においても約50%の発病予防効果(新生児・乳児を対象としては74%)を認める」と報告し,現在はこの報告がBCGワクチン有効性評価に関する世界的なコンセンサスとなっている(表1).
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