論説
BCGワクチンについて
染谷 四郞
1
1公衆衞生院衞生微生物學部
pp.373-378
発行日 1949年5月25日
Published Date 1949/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200462
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まえがき
わが國では結核豫防對策の一つとしてBCGワクチン接種が今日まで各方面で廣く實施せられ,着々その効果をあげていることは一般のよく知悉しているところである。また最近は西歐諸國,アメリカ合衆國においても盛んにBCGワクチン接種が行われ,その豫防効果が確認せられるようになつた。このような状勢から昨年豫防接種法が制定せられ,結核に對しても30歳までの結核未感染者は毎年BCG接種をうけねばならないことになり,その實施は1年の猶豫期間を以つて本年7月より開始せられることになつている。從つて一般の認識も益々高まり,普及も容易になつてゆくものと思われるのであるが,また他方BCGワクチンの改良,接種方法等についても尚研究すべきところが少くないのであつて,私はこの機會において現在までのBCG研究の經過と今後の方向とについて,その概略を述べ,讀者の御參考に供したいと思う。
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