今月の主題 癌と免疫
癌免疫療法の流れ
橋本 嘉幸
1,2
1東北大薬学部
2東北大衛生化学
pp.982-983
発行日 1979年7月10日
Published Date 1979/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215945
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
癌免疫療法の現在までの歴史をみると2つの流れがあることがわかる.その一つは,果たして癌細胞に,宿主によって認知されるような異物性,すなわち癌特異抗原が存在するか否か,もし存在するとしたら,どのような免疫学的方法で宿主の癌細胞に対する認識力を高め,宿主から癌細胞を排除することができるかを追求した,いわば論理的な研究の流れであり,他の一つは,ヒト癌に異物性があることを仮定して,直接,治療の方向に向けられた免疫療法の流れである.ある面では,この2つの流れは互いにからみ合って発展してきたとも考えられる.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.