内科医のためのパーキンソン病診療
パーキンソン症候群の鑑別診断とその治療 薬剤性パーキンソン症候群
内海 裕也
1
1東京医科大学附属病院 神経内科
キーワード:
Calcium Channel Blockers
,
抗精神病剤
,
抗うつ剤
,
抗Parkinson病剤
,
抗不整脈剤
,
鑑別診断
,
Parkinson病-続発性
Keyword:
Antiparkinson Agents
,
Anti-Arrhythmia Agents
,
Antidepressive Agents
,
Calcium Channel Blockers
,
Diagnosis, Differential
,
Parkinson Disease, Secondary
,
Antipsychotic Agents
pp.865-868
発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007169042
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パーキンソン症状が比較的急速に進行して日常生活に介助を要したり、寝たきりなどに発展する症例は薬剤性パーキンソン症候群の可能性が高く、ドパミン拮抗作用の薬剤を服用していないか考慮しなければならない。抗精神病薬、抗うつ薬、制吐薬、胃腸機能調整薬、以前使用されていたCa拮抗薬で脳循環改善薬などのドパミン拮抗作用薬が、比較的高率に薬剤性パーキンソン症候群を起こす原因となる。薬剤性パーキンソン症候群は、パーキンソン病に比較して振戦よりも動作・歩行障害が目立ち、症状の左右差に乏しい。薬剤性パーキンソン症候群は、原因薬剤を中止することで回復する。回復が思わしくない場合は潜在性のパーキンソン病の存在が考えられ、抗パーキンソン病薬の使用を考慮する。
©Nankodo Co., Ltd., 2007