今月の主題 リポ蛋白—最近の知識
リポ蛋白代謝に関する検査
脂肪負荷テスト
入江 昇
1
1慶大内科
pp.2406
発行日 1978年12月10日
Published Date 1978/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208382
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血中トリグリセライド(TG)濃度は血中へのinfluxと血中からのoutfluxにより規定されており,TGの合成能および処理能を測定することは高TG血症の診断および治療上重要である.従来より血中TGの動態を検索する方法としてはlipoprotein lipase活性の測定,アイソトープを用いる方法など多くの報告があるが,本稿では手段が比較的簡単で,かつ広く臨床応用可能な経静脈的脂肪負荷テストについて述べる.
当初脂肪負荷テストは経口法で行われていたが,脂肪の腸管よりの吸収率に個人差があり,正確に血中TGの動態を病態生理学的に把握することが困難であった.そこでその後この欠点を補うべく,Bobergら1)により人工乳剤であるIntralipidを用いる経静脈的脂肪負荷テストが報告され,筆者らもこの方法に検討を加えてきたので,その方法およびその臨床的意義について解説する.
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