負荷機能検査・17
脂肪負荷試験
竹内 正
1
1東京女子医科大学消化器内科
pp.552-555
発行日 1981年5月15日
Published Date 1981/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911236
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食餌中の巨大分子であるデンプン,蛋白,脂肪などの栄養源が消化管粘膜で吸収しうる小さな要素まで分解される過程の消化に膵臓が大きな役割を果たしていることは古くから知られている.膵の外分泌がある程度以上侵され,消化障害が起こると,栄養源の腸管での吸収が妨げられるが,腸管粘膜において更に膜消化の過程を経て吸収される.このように消化と吸収は表裏一体をたしており,分離して考えられないものである.
しかし,臨床的には消化吸収障害が,膵性か腸性かを鑑別する必要が生ずることがある.いわゆる吸収不良症候群(malabsorption syndrome)の立場からすると,Pollardの分類(表)にみられるように1),膵外分泌障害は一因にしかすぎないが,我が国では原発性のものであるCeliac病,熱帯スプルー,非熱帯スプルーなどは極めてまれであり,我々が遭遇する吸収不良症候群はほとんど続発性の吸収性障害である.このうち膵,胆道系の障害に起因する消化の異常から起こる吸収障筈は,この分野の検査法の進歩からかなりのことが分かってきている.すなわち,パンクレオザイミン・セクレチン(PS)試験によって膵外分泌液を直接採取して,膵外分泌機能を知ることができる.
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