今月の主題 リポ蛋白—最近の知識
リポ蛋白代謝に関する検査
LCAT
寺本 民生
1
,
内藤 周幸
1
1東大第1内科
pp.2402-2403
発行日 1978年12月10日
Published Date 1978/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208380
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はじめに
血清中のコレステロールは,約75%がエステル型で存在している.1935年にSperryらは,血清を37℃で野置すると遊離型コレステロールが低下し,血清を加熱非働化することによりこの変化が消失することを観察し,血清中にコレステロールエステル化酵素が存在することを示唆した.1962年Glomsetは,コレステロールのエステル化の際に,コレステロールとレシチンのモル変化が一致することから,単一の酵素により反応が行われていると考え,この酵素をLecithin:Cholesterol Acyltransferase(LCAT)と命名した.その後,1967年Norumらにより家族性LCAT欠損症が発見されるに及び,LCATはリポ蛋白の異化系の酵素としてリポ蛋白リパーゼ(LPL)と並び重要性が認識されてきた.
以下,本稿では,LCATのリポ蛋白代謝における役割および臨床上の意義について述べる.
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