技術講座 生化学
LCATの測定法
牧瀬 淳子
1
1横須賀共済病院中央検査科
pp.239-242
発行日 1985年3月1日
Published Date 1985/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203290
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1935年Sperry1)は,血清を放置するとコレステロールエステル(EC)が増加する現象を見つけ,血漿中にコレステロール(FC)をエステル化する酵素が存在することを示唆した.次いでGlomset2)は,放射性同位元素を用いた研究により,レシチンのβ位脂肪酸をFCの3β-OH基に転移しECを生成するというレシチン・コレステロール・アシルトランスフェラーゼ(lecithin cholesterol acyltransferase:LCAT;EC 2.3.1.43)の存在を明らかにした.このLCATは肝臓で生成され,流血中でリポ蛋白に作用しFCのエステル化反応を触媒する酵素であり,血中および組織の脂質代謝に関与している.この反応の活性化にはアポAⅠ蛋白が必要であり,アポAⅡ蛋白はLCATを阻害すると考えられている.その生理的役割についてもしだいに明らかにされてきた.
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