今月の主題 リポ蛋白—最近の知識
リポ蛋白代謝に関する検査
種類と正常値,異常値の読み方
河合 忠
1
,
櫻林 郁之介
1
1自治医大教授臨床病理学
pp.2398-2400
発行日 1978年12月10日
Published Date 1978/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208379
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リポ蛋白測定法の種類
血清脂質の動態を知る上で,その運搬体としてのリポ蛋白の測定はいまや不可欠である.現在,リポ蛋白の測定には大きく分けて,①超遠心法,②電気泳動法(濾紙,セルロースアセテート膜,アガロース,ポリアクリルァミドなど),③免疫化学的測定法(βリポテストなど),④沈殿法の4つの方法がある.これらの方法は,図1に示すように,リポ蛋白のいろいろな物理化学的性状を利用して測定しているわけである.
超遠心法 リポ蛋白の分子の重さ(密度)によって分析するもので,現在でもリポ蛋白測定の標準法としての地位を保っている.しかし,高価な分析用超遠心器を必要とし,分析時間が長く,繁雑であるため,だれでも簡単に行いうる方法ではない.LDL,VLDL,HDLなどの名称は本法によって生まれたものである.
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