話題
細胞膜とLCAT欠損症
高橋 慶一
1
,
門脇 孝
1
,
赤沼 安夫
2
1東京大・第三内科
2朝日生命糖尿病研究所
pp.1591
発行日 1985年11月1日
Published Date 1985/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917588
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細胞膜の脂質組成は,細胞膜に存在する受容体や酵素などの膜機能蛋白の働きに影響を与えることが知られている.培養細胞やリポソームを用いたin vitroの実験で,膜脂質組成を人為的に変化させるとインスリン受容体の結合特性が変動することが示されており,これは膜流動性の変化によると考えられている.しかし,ヒトの脂質代謝異常症に伴う細胞膜脂質組成の変化が同様の現象を起こすか否かについての報告は,これまでほとんどなかった.
われわれの研究室では家族性LCAT欠損症患者の赤血球でインスリン結合の特性を分析し,膜脂質組成および膜流動性との関係を検討した.
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