臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
XI.腎疾患
4.透析患者の合併症対策
心筋梗塞合併患者の透析上の問題点
原 晃
1
,
沢西 謙次
2
1京大第3内科
2京大人工腎臓室
pp.2280-2281
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208335
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はじめに
正常な腎機能を有する者が,急性心筋梗塞のためショクッに陥り,急性腎不全になって透析を受ける場合と,すでに血液透析や腹膜透析を受けている者が心筋梗塞を合併した場合が考えられるが,前者については心筋梗塞のpump failureのうちでもショック(収縮期血圧90mmHg以下)に陥ると,その状態が持続するものは最も重症に属し,死亡率は90%といわれる.このような状態が続いて急性尿細管壊死を起こし,透析を必要とするに至るものは比較的稀である.後者については,従来慢性腎不全に合併する心疾患としては,うっ血性心不全,高血圧性左心不全,心包炎,心タンポナーデなどがとりあげられ,心筋梗塞の合併はあまり論じられたことがなかった.しかし,現在長期透析患者の動脈硬化が問題となっており,将来普通の人に比べて罹患率に差がでてくるかもしれない.
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