境界領域 転科のタイミング
急性心筋梗塞とその合併症
伴 敏彦
1
Toshihiko Ban
1
1京都大学医学部・心臓血管外科
pp.1304-1307
発行日 1984年7月10日
Published Date 1984/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219143
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急性心筋梗塞症に対する内科治療の成績については,まずICUの普及によって不整脈死が著しく減少したことがあげられる.さらに最近では,発症早期にStreptokinaseあるいはUrokinaseを責任冠動脈に直接注入し,閉塞した冠動脈の再開通を行う,いわゆるpercutaneous transluminalcoronary recanalization(以下PTCRと略す)の導入により著しい治療成績の向上がみられるようになった1,2).しかし,このようなより積極的な内科治療が行われるにつれて,緊急ACバイパス手術を必要とする症例,あるいは再開通後の再閉塞をきたしやすいものに対するバイパス手術の必要性も認められるようになってきている.
また,急性心筋梗塞の機械的合併症は,手術時期の問題はさておき,手術の絶対的適応であると言っても過言ではない.
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