臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
IX.免疫・アレルギー疾患
3.免疫異常の治療
γグロブリン製剤の適応と使い方
堀 誠
1,2
1国立小児病院
2慈恵医大小児科
pp.2182-2184
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208300
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はじめに
抗体保有量が生体のホメオスタシス維持のために必要なレベル以下になれば,感染防御に抗体を必要とする微生物による感染症を反復し,症状の重篤・遷延化がみられるようになる.
このような状態は,各種の先天性免疫不全症をはじめとして,後天性にも惹起される.後者においてはリンパ組織の悪性腫瘍,血液疾患およびその治療に基づくものが目立っている.生理的にも幼若乳児期にはこの傾向があり,従来からこれらの状態を補強するため,成人血清,成人血漿の移入,輸血,回復期患者血清の使用が行われてきたが,一部の微生物の抗体を除けば,その抗体活性の大部分がCohnの免疫グロブリン分画にあることが判明してから,最近では免疫グロブリン製剤が広く用いられるようになった.
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