今月の主題 免疫診断法と免疫療法
免疫療法
抗Rhγグロブリン製剤
白川 光一
1
1福岡大産婦人科
pp.823-825
発行日 1978年6月10日
Published Date 1978/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207906
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はじめに
"予防に勝る治療なし"というのは医療の鉄則である.したがって,胎児・新生児溶血性疾患(hemolytic disease of the fetus and the newborn,以下HDNと略記.旧称は胎児・新生児赤芽球症Erythroblastosis fetalis et neonatorum)についても,その原因解明(1940)直後から多数の予防法が提唱されたことはいうまでもない.しかし,すべてみるべき効果はあげえなかった.
しかるに,1961年頃から現在の抗Rh IgG(抗Rhγグロブリン)の投与による予防法が台頭し,その効果はかなり高く評価され,現在の普及をみるに至っている.思うに本予防法は,ほぼ同じ頃に出現した羊水分析(1961)および子宮内胎児輸血(1963)と並んで,HDN対策史上,交換輸血(1946)に次ぐ,第2のエポックを画するものである.
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