今月の主題 感染症—治療の実際
その他の治療法
γグロブリン製剤
藤井 良知
1
Ryochi FUJII
1
1帝京大学医学部・小児科
pp.1556-1558
発行日 1980年10月10日
Published Date 1980/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216719
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はじめに
動物を免疫して得た抗血清で,難治感染症を制御できるようになったが,異種動物の血清蛋白のための血清病対策に苦しみ,ヒト血清蛋白中の抗体に関心が移っていったのは当然であろう.異種動物より作製されたジフテリア,破傷風ならびに蛇毒素に対する抗毒素血清はまだ使用されているが,ここでは触れない.
Cohnの血漿蛋白第II分画にγグロブリンが集まり,そこに大部分の有効抗体があることが明らかになってから,この分画をとり出したヒトγグロブリン(IgG)製剤が使用されるようになった.ある疾患の回復期血清,あるいは能動的にヒトを免疫して得た血清から,高度免疫IgG製剤が能率よく作製される.
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