臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
V.肝・胆道・膵疾患
3.肝硬変症の合併症と対策
糖尿病合併例の治療の要点
高岡 善人
1
,
三宅 清兵衛
1
1長崎大第1内科
pp.1974-1975
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208220
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はじめに
当科入院患者の統計で肝硬変症・糖尿病合併例は,近年増加傾向にあり,肝硬変患者330名の13.6%に糖尿病が,また糖尿病患者528名の8.5%に肝硬変が合併している.このうち大部分は空腹時血糖値が正常,ブドウ糖負荷で糖尿病型を示す軽症例であるが,なかには空腹時血糖値が150mg/dlをこえる症例もみられる.前者の場合には肥満者が多く,後者はアルコール常飲者に高率にみられる.
肝硬変症,糖尿病ともに食事療法が治療の基礎となるので,両疾患が合併したときの治療も当然食事療法が中心となる.以下,治療前の検査,食事療法,インスリンの使用法,経口血糖降下剤の選び方,肝不全時の治療などについても述べる.
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