Japanese
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特集 泌尿器科領域での救急医療—病態と治療
急性腹症
Abdominal Emergencies
葛西 猛
1
Takeshi Kasai
1
1亀田総合病院 救命救急科
1Department of Trauma and Emergency Center, Kameda General Hospital
pp.929-935
発行日 1995年11月20日
Published Date 1995/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901629
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はじめに
急激な腹痛を主徴とし,迅速な診断と手術適応の有無の決定を必要とする疾患群を急性腹症(acute abdomen,abdominal emergency,surgi-cal emergency)と呼称している。本疾患群は1940年頃より,独立したentityとして取り扱われるようになったが,診断技術が以前に比較して格段に進歩してきている今日において急性腹症と呼称されるentityがはたして必要なのかどうかという疑念が起こっても不思議ではない。しかしながら,発症の初期においてはいかなる診断法を駆使しても確定診断が出来ないことが少なくないことや病態の緊急性が高いときには,確定診断をつけることよりも手術をするか否かの判断が重要となることなどを考えあわせるならば,急性腹症なる概念を直ちに捨て去ることはできない。
この項では,腹痛を主徴として外来を受診する患者に対する一般的なアプローチの仕方,手術の適応からみた急性腹症の治療について解説する。
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