今月の主題 慢性骨髄増殖症候群
慢性骨髄性白血病
長期生存例
喜多嶋 康一
1
,
北川 中行
1
1岡山大第2内科
pp.1131-1133
発行日 1978年8月10日
Published Date 1978/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207981
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
近年急性白血病の治療の進歩はめざましく,寛解率の向上,平均生存期間の延長に伴い,長期生存例も急速に増加しつつあることは周知のごとくである.本邦においても昭和39年以来名大グループにより全国調査がくり返し実施され,昭和51年11月現在で5年以上の長期生存例が178例に達したことが報ぜられている.これに反して慢性骨髄性白血病(以下CML)の治療は,ブスルファン(Myleran)の登場以後は画期的進歩に欠け,平均生存期間は依然として3年〜3.5年程度にとどまっている現状である.長期生存例についても,散発的な症例についての報告にとどまり,まとまった調査はこれまで試みられていなかったが,筆者らはCMLの生存期間延長の要因を探る目的で,昨年全国医療機関の協力のもとに本邦におけるCML長期生存例の実態調査を施行する機会を得たので,以下その成績の概略を述べ,文献上の報告例もあわせて報告する.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.