発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003226064
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症例1:54歳女.右股関節痛を主訴とした.子宮頸癌にて放射線治療を受けていた.局所所見,単純X線像,CT,MRI,生検組織像より,Cahanの基準を用いて紡錘形細胞肉腫型のPostradiation sarcoma(PRS)と診断した.StageはInternational Union Against Cancer(UICC) IIBであり,術前2コースの化学療法と32Gyの放射線治療を行った.効果判定はprogressive disease(PD)であり,化学療法の効果はないと考え,根治術目的にて腫瘍切除術右股関節固定を行った.しかし術後感染が生じ,右骨盤半截術を行った.術後4年8ヵ月経過しているが,転移・再発を認めない.症例2:56歳女.右臀部腫瘤を主訴とした.子宮頸癌にて放射線治療を受けていた.局所所見,CT,MRI,病理組織像より,悪性線維性組織球腫型のPRSと診断した.StageはUICC IIIBであり,術前2コースの化学療法と26Gyの放射線治療を行った.効果判定はPDであったため,根治術目的にて腫瘍広範切除を行った.しかし,術後1年2ヵ月に右大腿内側に腫瘤が出現した.転移を考え腫瘍広範切除術を行い,術後更に26Gyの放射線治療を加えた.現在,初回手術から5年経過しているが,転移・再発は認めない
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