今月の主題 慢性骨髄増殖症候群
慢性骨髄性白血病
Chronic myelomonocytic leukemia
長谷川 吉康
1
1東大第4内科
pp.1134-1135
発行日 1978年8月10日
Published Date 1978/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207982
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はじめに
一般に白血病の分類は,急性白血病には骨髄性,リンパ性,単球性白血病があり,慢性症は骨髄性,リンパ性に分かれる.これに慢性単球性白血病を加えるのが正当であるとの主張もあるが,単球白血病には慢性型がみられないとされていた.DameshekとGunz1)も,慢性単球性白血病は稀であり存在しないのではないかと,その著書で否定的な見解を述べている.
しかし,最近慢性単球性白血病に相当する特徴をもつ症例が観察されるようになり,その存在を示唆する可能性を主張する報告2〜4)がみられるようになった.すなわち,大多数は老年者に,臨床上および血液学的な一定の特徴を有し,比較的良性かつ慢性の経過をとる症例が,SaarniとLinman2)(1971),Bernadouら(1972),MiescherとFarquet3)(1974)らによって,chronic myelomonocyticleukemia(以下CMyMoLと略記)の名称のもとに報告されはじめたのである.もちろんそれらの症例は,報告者によってかなりの差があり必ずしも一致した疾患単位として認められるような段階ではないが,少なくとも多くの見解が骨髄の増殖症候群の一形態であることには異論がないので,本症の病態について解説してみたい.
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