今月の主題 慢性骨髄増殖症候群
慢性骨髄性白血病
腫瘤形成をみたCGL
白井 達男
1
1東邦大第1内科
pp.1125-1127
発行日 1978年8月10日
Published Date 1978/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207979
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はじめに
近年,白血病の病像について,その多様化が論議されているが,慢性骨髄性白血病(CML, CGL)の経過中に腫瘤形成のみられる症例も病像変貌の一つと考えられている.本症の特徴はきわめて難治性で予後が悪いことであり,腫瘤形成後の生存期間はおおむね6ヵ月以内である.
腫瘍形成性白血病の歴史をみると,古くは1811年Burns1)が,左眼窩に種瘤を形成した緑色腫の1例を報告している.木邦では1954年赤崎ら2)が急性リンパ性白血病および急性骨髄性白血病の経過中に腫瘤の併発した症例を報告し,かかる症例に対して腫瘤形成性急性リンパ性白血病,また腫瘤形成性急性骨髄性自血病なる名称を提示した.ところで,CMLに見られる腫瘤の組織学的所見は,骨髄芽球よりなる骨髄芽球腫(myeloblastoma)と細網肉腫様細胞からなる腫瘤の2種類である.これら腫瘤形成の真の要因は未だ明らかではない.
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