今月の主題 免疫診断法と免疫療法
免疫療法・これから期待されるもの
Interferon
岸田 綱太郎
1
1京府医大微生物学
pp.838-839
発行日 1978年6月10日
Published Date 1978/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207911
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
最近,「Interferon(IF)」という名前は一般に知れわたるようになったが,その発見は25年も前に日本の長野泰一,小島保彦により「ウイルス抑制因子」として発表されたのがはじまりである.その後英国のアイザックスとリンデンマンによって異なる実験系で同様の物質を報告し,「インターフェロン」と名づけられた.
この物質が従来の抗ウイルス物質や中和抗体とまったく異なる,また非常にすぐれた感染防御効果を示すことは発見の初期から明らかとなり,その臨床応用は時間の問題と思われながら未だに臨床医学者の手に渡らないのは,その作用機転や物質としての解明が不十分だからではない,サルファ剤や抗生物質が臨床応用された当時,それらの薬剤の作用機転は現在のIFのそれよりもずっと不明確であった.要はヒト用IFの量産が未だ軌道に乗っていないからである.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.