特集 器官―その新しい視点
1.消化器
膵臓
坂本 長逸
1
Choitsu Sakamoto
1
1神戸大学医学部第二内科
pp.377-380
発行日 1996年10月15日
Published Date 1996/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901114
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ポイント CCK受容体および膵炎関連蛋白質
膵臓が内分泌部分と外分泌部分のキメラをなしている臓器であり,それぞれが機能的に連関している可能性があることは,本誌の42巻2号で簡単に紹介した。特に,外分泌部分については,cholecystokinin(CCK)がその分泌制御に重要な役割を果たしているだけでなく,CCKによって活性化される情報伝達機構そのものが急性膵炎の発症と深く関係する可能性もあることを,CCKによる急性膵炎誘発モデルを引用して紹介した。今回は,その後のCCK受容体を介した情報伝達に関する研究が世界でいまどのように展開されているかを示すとともに,私達の明らかにしたCCKのdiacylglycerol(DG)集積機序に関する研究も一部紹介する。また,膵炎関連蛋白質(pancreatitis-associated protein;PAP,pancreatic stone protein;PSP=reg-protein)に関しても,最近活発に研究されているので,その内容の一部をレビューしたい。
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