私の経験例
トキソプラズマ抗体価高値で,診断に迷ったNeuro-Behçet病の一例
瀬古 敬
1
1京都市立病院内科
pp.2071
発行日 1977年12月5日
Published Date 1977/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207600
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患者は58歳女.5年前より飛蚊症あり,虹彩炎を指摘されて加療をうけてきた.3年前肋間神経痛の治療をうけたことがある.その他にこれまでよく発熱し,そのわりには元気であるといった状態を何度かくり返している.1976年7月9日,勤務先で体がだるくなり帰宅,何日間か臥床したことがあったが,その時は38℃ぐらいの発熱と咽頭痛があった.7月末には口がまわりにくくなり,時には笑いだしたらとまらなくなった.左足が動きにくくなり自立歩行不能となった.目をふさぐと立っていることもできなくなった.その後も37〜38℃の熱発が消長しているが,1976年9月には39℃ぐらいの発熱をきたし救急外来を訪れたこともある.10月頃から特別な治療をうけることなく軽快し,家では掃除などもできるようになった.ロレツもまわるようになった.1976年12月17日精査のために入院.
口角炎,舌潰瘍あり,四肢腱反射は亢進.Tromner,Babinski,Chaddock,Rossolimoなどの病的反射は左右に陽性.ロンベルグテスト(±),起立位では右へ転びやすい.指鼻試験,変換運動は左右とも拙劣,咽頭反射消失.
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