臨時増刊特集 診断基準とその使い方
I.循環器疾患
低送血症候群
岡田 和夫
1
1帝京大麻酔科
pp.1682-1683
発行日 1977年12月5日
Published Date 1977/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207482
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概念
急性に心臓のポンプ機能が低下して急性循環不全を招く症状群である.機能面よりみると左心室駆出不全型と左心室充填不全型に分類される.前者には急性心筋梗塞による心原性ショック,開心術後の低送血症候群があり,後者には急性心臓タンポナーデがある.
ショックは心原性,出血性,敗血症(エンドトキシン)などと分類されるが,末梢より心臓に戻る血液量が不足したり,末梢血管が拡張して相対的に血液が不足した状態でも心臓から駆出する血液が減少するようになる.これらも見方を変えれば低送血症候群とみなすことができよう.しかし,これらの場合は原因の出血などの治療が施されれば,低送血状態は回復するので,対象は心臓のポンプ機能の低下した場合に主眼が置かれることになる.
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