ここにも医療あり
海の上の無医地帯—医療無線電報体制
藤原 國芳
1
1横浜船員保険病院
pp.1198-1199
発行日 1977年8月10日
Published Date 1977/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207337
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●医療無線電報と衛生管理者
無医村の医療体制はどうすればよいか,などと議論していても,実際に患者が発生すればどうしようもない.近隣の者がいろいろと世話をやくことになる.薬よ,湯タンポよ,熱はどうだ,背中をさすろうかということになる.
医師の乗っていない航海中の船でも同じ騒ぎになる.ただ違うことは,陸上ではなんとか1日もあれば医師の診察を受けられるところまで運べるが,船の場合はそうはゆかない.近くを航行中の船医に頼むか,何日かあとの入港時まで待たねばならなくなる.しかし,何日もかかるというだけで放置することは許されることではない.それで考え出されたことは,准看護婦並の資格を持たせた衛生管理者という者を2〜3名任命しておいて,応急処置をやってもらい,処置方法については陸上の病院からの電報連絡を受けようという方法である.
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